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税理士が検証「コロナ予防のマスク代は医療費控除の対象になるか」

新型コロナウイルス対策でマスクが手放せない。このマスクの購入費用は医療費控除の対象になるのだろうか。元国税調査官で税理士・産業カウンセラーの飯田真弓氏は「同じものに対する費用でも、医療費控除に入れられるケースとそうでないケースがある。税法の原文にあたると、判断基準が見えてくる」という——。

税理士が検証「コロナ予防のマスク代は医療費控除の対象になるか」

写真=iStock.com/mihalec
※写真はイメージです

品薄が解消されつつあるところに届いたアベノマスク…

新型コロナウイルス感染拡大予防のための自粛要請が段階的に解除されている。

他の国と比べて日本の感染者数が少なく済んでいるのは、日本人の国民性にあるのではないかという説がある。

しかし、専門家によると、新型コロナウイルスの性質からして“終息”には至らないようだ。

新型コロナウイルスの予防対策として、3密を避ける、手洗い、うがい、マスクの着用の徹底が言われている。一時期、リアル店舗でもネットのショップでもマスクが品薄となった。

マスクをしないと外出できないムードとなり、“高いなぁ”と思いながらもネットで購入した人もいただろう。

ドラッグストアで販売するらしいと聞き付け、高齢者が早朝からお店の前に並んでいるというニュースもあった。

マスク不足を受けて、安倍晋三首相はマスクの無料配布を行うと発表した。布製の小さめのマスク、いわゆるアベノマスクが筆者のオフィスのポストに入っていたのは、5月の半ば。その郵便物に宛名の記載はなかった。郵便受けを見たら適当に放り込めばいい、という配達員の判断で配っていたということなのだろうか。

その頃、ドラッグストアやコンビニでは、すでに使い捨てマスクの在庫が元に戻りつつあり、アベノマスクの有り難みはさほど感じられなかったが……。

さて、この市販のマスク。所得税の確定申告の際、医療費控除の対象になるのでは? と気になっている人もいるだろう。今回は、マスクの購入費用が医療費控除になるのかについて考えてみたいと思う。

そもそも医療費控除とは

医療費控除については、2月27日配信「薬代の約15%がお得になる『セルフメディケーション』の使い方」で書かせてもらった。ぜひ、この機会に、法律の原文を読んで一緒に考えていただければと思う。

所得税法第七十三条(医療費控除)
第七十三条 居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
2 前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。
3 第一項の規定による控除は、医療費控除という。

第1項を要約すると、1年間のうちに自己負担した医療費が実質的に10万円を超えたとき、その年中に支払った医療費を所得金額から控除するということが書かれている。

第2項では、医療費とは、何を指すかについて説明している。

公益社団法人全日本病院協会のHP「医療費の仕組み」の「医療保険と医療費」の項にも、医療費について下記のように説明されている。

私たちは、病気やけがをしたときには病院や診療所などの医療機関や調剤薬局などで診察・投薬・治療その他必要な医療サービスを受けることができます。この場合にかかった費用が医療費です。

後になってから医療費控除に認められた例も

繰り返しになるが、医療費控除の対象の大前提は、

「病気やけがをしたとき病院や診療所などの医療機関や調剤薬局などで診察・投薬・治療その他必要な医療サービスを受けたときに支払った費用」

ということになる。

そもそも、医療費控除は、納税者や納税者の家族が重い病気などにかかり、多額の治療費を払わなければならなくなった年の税負担を少なくするために制定された。

税法は、社会の実情に合わせて、毎年改正されている。所得税法の第73条では、予防という文字を確認することはできないが、後になってB型肝炎の予防接種のように、医療費控除として認められたものもある。

一定の条件を満たすことが必要であるが、心臓病患者がAEDを購入したり賃借したりした場合の費用が医療費控除に含まれる場合もある。

医療費控除の範囲は、今後もまだまだ拡大される余地はあると考えられる。

人間ドックはケースバイケース

サラリーマンの方になじみのある予防行為といえば、人間ドックだろう。人間ドックの費用そのものは、医療費控除には該当しないのだが、その人間ドックを受けたことで病気が見つかり、治療することになったという場合は、ひも付きで人間ドックの費用も医療費控除に含めてよいと規定されている。

医療費控除は、治療のほか、療養についても該当する。療養の中には介護も含まれる。介護に関する費用には、人的役務の対価の他、おむつがある。一定の要件を満たしていることが必要ではあるが、おむつは消耗品だけれども医療費控除の対象となっているのだ。

市販の消耗品に関しては、セルフメディケーション税制で該当する医薬品の購入費用について認められることになった。今後、特定の疾病を確実に予防できる特殊なマスクが開発されれば、そのマスクの購入費用は医療費控除に該当するという時代がくるかもしれない。

さて、治療とは、何をもって治療と呼ぶのだろうか。

治療(読み)ちりょう(英語表記)(medical)treatment;healing
[名](スル)《「ぢりょう」とも》病気やけがをなおすこと。病気や症状を治癒あるいは軽快させるための医療行為。療治。「歯を治療する」

【デジタル大辞泉の解説】より引用


医療行為
医師法により、医師および医師の指示を受けた看護師・助産師などの医療従事者のみ行うことが認められている治療や処置などのこと。医学的な技術・判断がなければ人体に危害を及ぼす危険がある行為の総称。
[補説]医療行為の定義は必ずしも明確ではなく、血圧測定・経管栄養注入・たんの吸引などを医療行為とみなすかどうか意見が分かれている。経管栄養注入などの日常の医療的ケアは、現在では家族も行うことが認められている。気管挿入は、かつては医師しか行えなかったが、現在は救急救命士も行うことが認められている。

【デジタル大辞泉の解説】より引用

民間療法で病気が治った場合はどうなるか

ひらたくいうと、治療とは、医師の資格を持った人が行うものということになる。よって、原則、医師の資格を持たない人が行うものは、医療費控除には該当しない。

「どこの病院に行っても治らなかったけれど、この道場に行ったら治ったんです」

筆者が国税で勤務していた頃、医療機関に行ったけれども治らず、民間療法で病気が治ったという人が多大な量の領収書を添付して医療費控除の申告書を提出して来られることがあった。

けれども、国税当局としては、

「国家資格をお持ちの方に発行してもらった領収書を、医療費控除とさせていただきます」

と説明するしかなかった。なぜなら、国税の職員は医療の専門家ではないからだ。

マッサージは医療費控除に該当するのか

読者の中には、肩凝りに悩まされているという方が少なくないと思う。では、肩が凝ったなあと思うとき、どこにいくだろうか。

「今のお時間であれば、すぐにできます!」

ひと仕事終え、街中を歩いていて、そんな看板に出くわし、入ってみたという方もいるのではないだろうか。街中でよく見かける、マッサージは医療費控除に該当するのだろうか。

ここで、確認するべき事項は2つある。

1、その行為は治療なのか。
2、その行為は誰が行うのか。

そもそも、肩凝りは病気なのかということ。肩凝りを病気と位置付けることができるのであれば、1つめの条件はクリアしたことになる。しかし、気持ちがいいから、とか、スッキリするから、という理由の場合は、医療費控除の対象にはならない。

所得税法施行令第207条(医療費の範囲)では、医療費の範囲について下記のようにうたっている。

所得税法施行令第二百七条(医療費の範囲)
第二百七条 法第七十三条第二項(医療費の範囲)に規定する政令で定める対価は、次に掲げるものの対価のうち、その病状その他財務省令で定める状況に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とする。
一 医師又は歯科医師による診療又は治療
二 治療又は療養に必要な医薬品の購入
三 病院、診療所(これに準ずるものとして財務省令で定めるものを含む。)又は助産所へ収容されるための人的役務の提供
四 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第三条の二(名簿)に規定する施術者(同法第十二条の二第一項(医業類似行為を業とすることができる者)の規定に該当する者を含む。)又は柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第二条第一項(定義)に規定する柔道整復師による施術
五 保健師、看護師又は准看護師による療養上の世話
六 助産師による分べんの介助

今やマスクは必需品に

マッサージについては、上記の207条第4項を読んでほしい。

その行為が、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律に規定する施術者又は柔道整復師法に規定する柔道整復師による施術」であれば、医療費控除の対象になるというわけだ。

マスクの必要性は、今回の新型コロナウイルスに始まったものではなく、スペイン風邪の際も、SARSの時も、言われていた。

これは日本だけの問題ではないということは、今、ここでいうまでもない。マスクの供給は、各自が行うのではなく、国家を越えた全世界レベルで行うべきだと考えることができるのではないだろうか。

今や、外出する際、マスクは必需品となった。季節が夏にむかうにつれ、屋外ではマスクをしなくてもよいという報道もあるが、店舗ではマスクをしていない人は入店お断りという張り紙を見かける。

新型コロナウイルス感染症拡大やウイルス蔓延防止の観点から、私たちの日常生活は大きく変わったのだ。

マスク代を控除に含めるのは難しい

医療関係者だけではなく、人の身体に触れる理髪店や美容院、エステティックサロンなどでは、新型コロナウイルス感染症の拡大が言われる前から、施術をする側の人はマスクしていた。

医療費控除とは、実際に病気やケガをした場合の事後的な費用が対象とされているのであり、予防的な見地からの医薬品の購入費用は医療費控除の対象からは除外されてきた。

しかし、時代の変化とともに、予防に対する費用も医療費控除として認める流れがでてきた。平成28年度税制改正による「セルフメディケーション税制」の導入が最たる例だ。

が、セルフメディケーション税制の対象はスイッチOTC医薬品に限られており、そこにマスクは含まれていないし、薬品ではないので、医療費控除の対象とすることは難しいだろう。

政府は、本気で新型コロナウイルスの予防対策を考えるのであれば、1回だけアベノマスクを郵送して終わりではなく、定期的・継続的に、全国民にマスクを届ける仕組みを考案することも必要なのではないだろうか。

本当の意味での「コロナ予防」とは

今回は、「マスクは医療費控除になるのか」というテーマで色々と考えてみた。

医薬品ではないけれど、医療費控除として認められているものとしておむつを紹介したが、もうひとつ、医薬品ではないものを紹介しておこう。人工肛門に取り付ける糞便袋など(ストマ用装具)の購入費用だ。

最近になって、繊維業界などが洗って数回使用できるマスクを開発し販売にこぎ着けている。もし、さらに開発がすすみ、そのマスクは予防効果が絶大で、それを医療機関も認めるようなものが出来れば、医療費控除に該当するようになるかもしれない。

今までも、時代とともに医療費控除の解釈は拡大されてきたことを思うと、可能性はゼロではないのかもしれない。

昨今、何処へ行っても、除菌除菌と叫ばれているが、霊長類は無菌状態でないと生きながらえることができないのだろうか。

これからは、ウィズコロナの時代を迎えることになる。

悪いものとして排除するのではなく、本当の予防は、それに耐えうる強靭で柔軟な身体を作ることなのではないだろうか。

各省庁は、新型コロナウイルス対策として様々な助成金や補助金の支給を行っている。

次に打つべき手は、やはり予防対策だろう。予防のためのワクチンが開発されれば、もしかすると、それは、医療費控除に該当することになるかもしれない。

第2波に備えて、自分が新型コロナウイルスにかかっているかもと不安に思っている人が、自己負担せずとも検査を受けることができるような仕組みをつくることこそが、本当の意味での予防であり、国を挙げて取るべき施策なのではないかと思っている。

※編集部註:2020年6月19日、マスク代を医療費控除に含めることができるか麴町税務署に問い合わせたところ、「予防のためのマスクの費用は医療費控除に入らない。ただ、医師から感染症の診断を受け、“治療”のためにマスクが必要という旨が診断書に書かれていれば、医療費控除に入れることができると考えられる」との回答があった。ただし、税務署の回答は公式見解ではない。

飯田 真弓(いいだ・まゆみ)
税理士
元国税調査官。産業カウンセラー。健康経営アドバイザー。日本芸術療法学会正会員。初級国家公務員(税務職)女子1期生で、26年間国税調査官として税務調査に従事。2008年に退職し、12年日本マインドヘルス協会を設立し代表理事を務める。著書に『税務署は見ている。』『B勘あり!』『税務署は3年泳がせる。』(ともに日本経済新聞出版社)、『調査官目線でつかむ セーフ?アウト?税務調査』(清文社)、『「顧客目線」「嗅覚」がカギ!選ばれる税理士の”回答力”』(清文社)がある。
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