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【臨時休校 千葉大付属中の取り組み】(下)逆境を新たな学びの機会に

【臨時休校 千葉大付属中の取り組み】(下)逆境を新たな学びの機会に

「休校という自分ではどうすることもできない中でも、自律的に学んでほしい」と話す大澤由紀・主幹教諭=6日、千葉大教育学部付属中

 新型コロナウイルスの感染拡大で、政府の緊急事態宣言の対象となった7都府県ではすべての国公立小・中・高校が臨時休校を続けている。どうせなら、この休校期間を前向きな学びの機会にできないか。千葉大教育学部付属中学では、そんな取り組みも試みられていた。(津川綾子)
■じっくり時間かけ
 「心に響く春の詩を集めよう」
 千葉大教育学部付属中の国語科では8日、臨時休校中の最初の課題として、春の詩を2編以上探して、そのままノートに写しとるようにと、1~3年に共通の課題を出した。毎年、どの学年でも年度初めに取り上げられる単元だが、生徒が選ぶ詩は歌詞でもOKとするなど、教科書の枠にとらわれない、休校中ならではの自由な形にした。
 続く13日には、2年生には牟礼慶子の詩「見えないだけ」など2編、3年生には谷川俊太郎の詩「春に」など3編、教科書にある複数の詩を示し、生徒が自ら選んだ詩と比べ、どの詩が教科書掲載にふさわしいかを考え、その理由を書くとの課題を出した。
 この課題の狙いを「表現技法や韻律、春の季節を実感できるか、(新年度にふさわしく)気持ちが新たになるものか、など、生徒がそれぞれの視点で詩を読解すること」と、国語科を担当する大澤由紀・主幹教諭は説明する。一部に提出締め切りがあるものの、次の課題が出る20日までは1週間ある。生徒はじっくりと詩を味わうことができそうだ。
■「生きる力」を養う
 直接授業が受けられない休校期間中の学習は、知識の習得など、自習が進めやすそうな課題が向くと考えがちだ。
 だが、休校という異例の事態を逆手にとり、突然生じた時間の余裕も生かして、思考力を養うチャンスに変えることもできる。
 大澤さんは3月の臨時休校時、休校の原因となった新型コロナウイルスをめぐる社会事象を新聞などから情報収集した上で、この事態をどう考え、乗り越えていくのか、意見文を書く課題を当時の1年生に出した。
 「事態が切実であるほど、自分事として考える。こうした課題に取り組むことが、これから非常に大切になる『生きる力』につながると思いました」と大澤さん。
 一人一人、さまざまではあるものの、生徒が寄せた意見文は当初、マスクやトイレットペーパーなどの買い占めやデマ情報への批判に傾きがちだった。だが日を追ううち、事態を冷静に受け止めて、「もし不安を抱えている友達がいたら、自分にできることをしたい」「大きな休みでないとできない挑戦をしたい」と意欲的な意見も出てくるようになった。「生活に根差して言語力や思考力を養うことも、国語教育が目指すところ」(大澤さん)。
 ほぼ単元を履修済みだった昨年度末と、すべての単元の履修がこれからという今とでは状況は違う。しかし、直面する現実を生かすことも、休校中の子供の学びを充実させる一つの方法になりそうだ。
      ◇
■HPから教員に直接問い合わせ
 学校から離れて過ごす休校中、生徒や保護者の不安や疑問になるべく速やかに答えられるようにと、千葉大教育学部付属中学は、内部向けのホームページ(HP)に、クラス担任や教科担当教員に直通でメールが届く問い合わせ欄を設けた。
 入学早々に休校となった1年生の保護者からは保健体育科の教員に「体操服に装着する名札の購入枚数は?」などの質問が寄せられた。後日、担当教員が答えをまとめ、HPにアップした。
 「担当に直接質問が届くことで速やかに対応でき、HPを通じてすべての保護者に回答を伝えることもできる」と保健体育科の教科主任、藤原修一教諭。直通メールは休校中、家庭と学校をつなぐ連絡帳のような役割を果たしているようだ。
産経新聞

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